東京では3畳ワンルームが人気の物件に?

3畳ワンルームの家賃相場は?

都心部における3畳ワンルームの家賃相場は、月5~8万円程度と言われています。
都心といっても地域ごとに環境が異なりますし、各物件ごとの立地条件にも大きな違いが出てくるので少々幅のある数字となっていますが、いずれにせよそのエリアの一般的なワンルーム物件の半分ほどの家賃の負担で借りることができる、という点ではほぼ共通しています。

この「安い家賃で都心に住める」点こそ、後述する人気の理由の筆頭に挙げられるでしょう。
3畳ワンルームに関心を寄せている若い世代の間では、月5万円程度が理想的な家賃相場とも言われています。

3畳ワンルームがなぜ人気なのか?

この3畳ワンルームへの関心は、単に若い世代の間で広がっているだけでなく、実際に東京の都心部で3畳ワンルームの新築マンションが増えています。
関心が増加し需要が高まることで供給も増している状況、言い換えれば単に関心を集めているだけでなく、実際に住もうと考えている人が増えていることを示しています。
おそらく多くの人は「3畳ワンルームなんて狭すぎる」と感じるのに対し、どうして人気を得ているのでしょうか?
その背景には、若い世代の間で進んでいる都心嗜好と職住近接の考えがあります。

郊外に念願のマイルームを購入した、でもそのために毎日片道2時間かけて電車通勤をしなければならない、そんな「住環境の理想と現実」を拒否し、仕事先や学校に近い場所に住む、そのためには暮らす環境が少々不便でもいいという考えを採用する人が、若い世代を中心に増えていると言います。
住まいの環境よりも、立地条件を重視する考えです。
この点は、断捨離をはじめとしたミニマリズムも関わっているのでしょう。
モノをまたない人にとって、「狭い家」はそれほどデメリットにならないのです。

都心に住めば何かと便利で、なにか欲しいもの、足りないものがあればすぐに買いに行けますし、どこかへ出かけるにも便利です。
そもそも、通勤時間のロスをなくして時間を有効利用できます。
コスパ・タイパといった意識が高まっている現在では、住まいは快適だけど移動で時間をロスする環境は決して魅力的な環境にはならないわけです。

また3畳ワンルームといっても、高度成長期の頃までの狭いアパートとは環境がまったく違います。
風呂とトイレはついている、あるいはロフトがついているなど、狭いスペースを有効に活用する工夫と快適性を保つ環境が整えられているところがほとんどです。
単に「狭いけど安くて立地もいい」物件ではなく、現代人の衛生とプライバシーへの意識の高さを考慮したうえで、しかるべき環境を整えている3畳ワンルームが人気を得ている状況と言ってもよいでしょう。
その意味では好き嫌いや当たり外れが出やすいタイプの物件とも言えるので、実際に住む際には慎重に部屋選びを行っていく必要もありそうです。